勉強方法を紹介!~環境計量士(濃度関係)編~
どうも!しょぼい理系です。
新卒から5年間勤めたメーカーを退職し、2019年1月から現在の環境調査会社へ転職したのですが、この1年間で初年度の目標としていた、「公害防止管理者(水質)」「環境計量士(濃度関係)」の2つの資格に合格することができました。
特に環境計量士の資格は、過去の記事でも紹介しましたが、水質や大気が様々な環境基準に適合するかを証明する「計量証明書」を作成するために必須の資格であるため、分析会社では好待遇となっているケースが多く、理系の方にはおすすめの資格です。
今回の記事では過去に紹介しきれなかった、環境計量士(濃度関係)の勉強方法について、細かく紹介していきたいと思います。
目指せ一発合格!勉強方法を紹介
用意するモノ
過去問
理系の方であれば基本的に過去問の反復でOKです。私は9年分を3回学習しました。
三省堂から出版されている攻略問題集は、7年分の過去問を問題のジャンルごとに分けているため網羅的に学習するのに便利です。
解説は所々不十分なところもありますが、内容のボリュームが多いため、妥当な内容かと思います。
ただし本番の試験は、当然、ジャンルごとに分かれていないため、問題集の学習だけではどうしても本番の感覚は養われ辛いです。
そこで、直近2回分の過去問は練習用として残しておき、問題集はあえて古いのものを選びました。
次回(第71回)に向けて勉強される方は、第62回~第68回が掲載された、2018年度版の購入をおすすめします。
運が良ければ、受験をあきらめた人が、メルカリで綺麗な商品を半値くらいで出品していることがありますので、要チェックです。
計量法のプリント
共通科目である法令を学習する際には、計量法の一覧を印刷しておくといいでしょう。過去問を解く→解説を読むだけの学習だと、全体像がつかみづらく、似た用語がごちゃごちゃになってしまうかと思います。
攻略問題集の解説には、「第○○条参照」と書いてくれているので、問題を解いた後にすぐ確認できます。
計量法、計量法施行令は下記リンクから印刷して手元に持っておきましょう。(施行規則はたまに出ますが、ほぼ使いません)
計量法施行規則(ほぼ使わない)
学習の流れ
理系出身者でもトータルで勉強時間200時間は確保したいところです。
問題集7年分を3周してから、直近の過去問2年分(1年分)を1~3周する、という順番で取りかかりましょう。
問題集の1周目では問題を解いたら、なぜその答えになるのかを完璧に理解できるように、解説を読み込んだり、他の書籍やインターネットを活用します。
そうすることで大半の時間がかかると思います(25時間×4科目=100時間が目安)。
そして残りの2周を、10時間×4科目×2周=80時間を目安に学習します。
ここまでを遅くとも試験の1週間前には終えたいところです。
そして残りの時間を直近2年分(1年分)の過去問に割きます。
これは経産省のHPに解答が載っているだけですので、インターネット等を活用して自力で復習しました。
noteでは過去問解説の販売を始めました。是非活用してください。
科目ごとの特徴
環化
特に難しいといわれる科目です。
最初の5問は3つの法律からの出題、残りの20問は化学全般からの出題となっています。
この化学が曲者であり、大半が大学レベルの問題である上、出題範囲が広く過去問の類題もあまり出題されません。
そのため、化学系出身者でない場合は過去問を解くだけでは苦労すると思います。
ただ、化学系出身者からすると基礎問題の範疇なので、過去問を解きながら周辺知識を呼び起こしておけば、それほど難しくはないでしょう。
【出題傾向】
法律の問題は固定です。化学全般の内訳は年によってまちまちです。
1問 環境基本法
2問 大気汚染防止法
2問 水質汚濁防止法
20問 化学全般
┗1問前後 酸・塩基
1問前後 酸化・還元
1問前後 熱力学
1問前後 化学反応・平衡
1問前後 測定方法・機器・原理
5問前後 有機化学
その他、元素・分子の特性や化学の基礎知識
環濃
ほぼ全てJISからの出題です。普段から測定をしている人には非常に優しいですが、一から学習する人は覚えることが多いです。
ただ、覚えさえすればそれほど難しい問題は出ないので、難しい環化をこの科目でフォローしたいところです。
測定原理などはただ暗記するだけではなく、測定対象物質の性質と絡めて覚えるようにしましょう。
例えば、「フッ酸はガラスを侵す性質があるため、フッ化水素ガスの採取管にはガラスを用いらない」「ヘキサン抽出物の分析は水中の油量を測る分析なので、水を採取するときには油を吸着するポリ容器を用いらない」といった感じです。
また、物質ごとのサンプリング方法、測定方法は、ネット上や書籍でもまとめてくれているところがあまりないので、自分なりにノートにまとめながら進めると良いと思います(ただし、あまり時間をかけないように)。
【出題傾向】
大気・水質の出題比率はほぼ固定です。
2問 濃度に関する計算問題
2問 濃度に関する基礎知識・用語など
8問 大気分析に関する問題
┗1問 「JIS K 0095 排ガス試料採取方法」に関する問題
1問 浮遊粒子状物質
1問 測定器の原理・保守
1問 酸素・一酸化炭素
1問~2問 VOC・ホルムアルデヒド・フェノール等
その他、大気分析全般
13問 水質分析に関する問題
┗4問 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に関する問題
1問 吸光光度法
1問 原子吸光法
1問 質量分析(MS)
1問 ICP発光・ICP-MS
1問 残留性有機汚染物質(PCBやPFOS、PFOAなど)
その他、水質分析全般
法規
すべて「計量法」からの出題ですので、過去問だけで攻略可能です。
前述の通り、法律は印刷し、手元に置いて学習します。
「経済産業大臣」・「都道府県知事」のどちらに届けるのか、「あらかじめ」なのか「遅滞なく」なのか、というようにややこしい所が多々ありますので、解いた問題に関連する事柄は印刷した計量法にアンダーラインを引きながら、少しずつ身につけていくと良いでしょう。
計量法の中で、「政令で定める」という文言が使われていることがあります。
政令=計量法施行令のことですので、計量法施行令を参照します。
期間などの具体的な数値、対象となる計量器の種類などは計量法施行令で示されてることが多いです。
【出題傾向】
配分はほぼ固定です。
3章、5章、6章あたりが出題数が多いので、重点的に学習しましょう。
2問 第1章 総則
3問 第2章 計量単位
4問 第3章 適正な計量の実施
2問 第4章 正確な特定計量器等の供給
4問 第5章 検定等
4問 第6章 計量証明の事業
3問 第7章 適正な計量管理
2問 第8章 計量器の校正等
1問 第9章 雑則 & 第10章 罰則
管理
過去問で解き方のパターンを身につけておけば、本試験でも同じように解ける問題がほとんどです。
個人的には一番時間のかからないところだと思いますので、ここはサクッと終わらせて、専門科目に時間を割きましょう。
【出題傾向】
配分はほぼ固定です。
「計測管理」や「計測の標準化」は未学習でも、文脈で判断できるサービス問題です。
それ以外は知らないと解けない問題もありますが、ほぼパターン化されています。
2問 計測管理
1問 計測単位
2問 トレーサビリティ
2問 測定誤差・ばらつき・不確かさ
2問 平均・分散・標準偏差
2問 実験計画法・分散分析
1問 回帰分析(直線回帰)・相関分析(相関係数)
3問~4問 校正・SN比
2問~3問 品質管理・測定管理・管理図
1問 計測の標準化(社内ルールの作り方)
1問 品質の検査・サンプリング方法
1問 信頼性(ディペンダビリティ)
1問 自動制御系(伝達関数)
2問 アナログ⇔デジタルの情報処理
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過去の記事で、資格手当を株式運用に例えて考えていますが、自身の懐がほとんど痛まないにも関わらず、株式投資から考えると驚異的な利回りが実現できる試算になりました。
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試験に何度も落ちてしまうと、その分受験料や勉強時間が発生するため、利回りは落ちてしまいますので、頑張って1発合格を目指しましょう。
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